Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
「陛下に申し上げにくいのですが」
「褒美かしら? そうね。ダグラスの望みは何かしら? お金? 地位?」
「陛下のお身体でしょうかね」
ジョーンは眉に力を入れ、ダグラスを睨んだ。ダグラスが右手を振って、苦笑いを浮かべていた。
「ケイン殿に殺されたくないので、その望みは、なしにしましょう」
ジョーンは跳ね上がった心拍数を、深呼吸して落ち着かせた。
(ダグラスにうろたえた姿を見せては駄目よ)
「冗談が下手ね。ケインではなくて、我が夫に殺されるわよ。ダグラスには、次期国王の摂政職に就かせましょう」
ジョーンは木の幹に手を触れた。木に到着するまでに話が纏まった。
(見てなさい、レティア)
腹の底から笑いが込み上げてきた。唾を飲み込んで、笑いを腹の底に押し戻すと、振り返った。
二十フィート先に、ケインが心配そうに立っていた。ダグラスと何を話しているのか、気になっている様子だ。
「褒美かしら? そうね。ダグラスの望みは何かしら? お金? 地位?」
「陛下のお身体でしょうかね」
ジョーンは眉に力を入れ、ダグラスを睨んだ。ダグラスが右手を振って、苦笑いを浮かべていた。
「ケイン殿に殺されたくないので、その望みは、なしにしましょう」
ジョーンは跳ね上がった心拍数を、深呼吸して落ち着かせた。
(ダグラスにうろたえた姿を見せては駄目よ)
「冗談が下手ね。ケインではなくて、我が夫に殺されるわよ。ダグラスには、次期国王の摂政職に就かせましょう」
ジョーンは木の幹に手を触れた。木に到着するまでに話が纏まった。
(見てなさい、レティア)
腹の底から笑いが込み上げてきた。唾を飲み込んで、笑いを腹の底に押し戻すと、振り返った。
二十フィート先に、ケインが心配そうに立っていた。ダグラスと何を話しているのか、気になっている様子だ。