Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
―ジョーンSIDE―
一四三〇年十月十一日。午後十時。
ジョーンはベッドの上で寝返りを打った。気づかずに眠っていたのか、瞼を持ち上げると、頭がすっきりしていた。
視線を上げると、ジョーンに腕枕をしていたケインと、目が合った。ジョーンをずっと見ていたのか、視線が合ったケインが笑顔を見せてくれた。
「どれくらい寝ていたのかしら?」
ジョーンは起き上がって、ベッドの脇にある椅子に目をやった。
「ほんの数分、寝ていただけですよ」
ジョーンの首の下にあった腕が解放されたケインが、左腕を揉み始めた。
痺れていたのに、ずっと我慢していたのかもしれない。眠っていた時間も数分ではなく、何十分も経っていたのかもしれない。
椅子に掛かっている赤いガウンを羽織ると、布団に包まってケインの胸の中に顔を埋めた。金色の胸毛が、ジョーンの鼻をくすぐった。
ケインの右腕が、ジョーンの肩から腕を撫でた。
ソファとテーブルを超えたところで暖炉が激しく炎を上げていた。木がぱちぱちと音を立てているのが聞こえる。
「今日は、ケインとゆっくりできるわね」
ジョーンはしみじみと口にした。
一四三〇年十月十一日。午後十時。
ジョーンはベッドの上で寝返りを打った。気づかずに眠っていたのか、瞼を持ち上げると、頭がすっきりしていた。
視線を上げると、ジョーンに腕枕をしていたケインと、目が合った。ジョーンをずっと見ていたのか、視線が合ったケインが笑顔を見せてくれた。
「どれくらい寝ていたのかしら?」
ジョーンは起き上がって、ベッドの脇にある椅子に目をやった。
「ほんの数分、寝ていただけですよ」
ジョーンの首の下にあった腕が解放されたケインが、左腕を揉み始めた。
痺れていたのに、ずっと我慢していたのかもしれない。眠っていた時間も数分ではなく、何十分も経っていたのかもしれない。
椅子に掛かっている赤いガウンを羽織ると、布団に包まってケインの胸の中に顔を埋めた。金色の胸毛が、ジョーンの鼻をくすぐった。
ケインの右腕が、ジョーンの肩から腕を撫でた。
ソファとテーブルを超えたところで暖炉が激しく炎を上げていた。木がぱちぱちと音を立てているのが聞こえる。
「今日は、ケインとゆっくりできるわね」
ジョーンはしみじみと口にした。