Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
ジョーンの愛犬は、先頭にいるケインと一緒に歩いていた。ヘレンが時々振り返っては、マードックの姿を睨み、低い唸り声を上げていた。
「エレノアの提案に助かったわ」
ジョーンは城の中に入り、螺旋階段を登り始めると、後ろにいるエレノアに礼を述べた。エレノアが嬉しそうに頬を赤らめると、首を横に振った。
「マードック殿にはお近づきになさいませぬよう、お願い申し上げます」
ケインが一度足を止めると、振り返って頭を下げた。
(勝手に近づいてきた場合は、どうしろって言うのよ)
「最善を尽くします」
ジョーンは冷たく答えると、前を歩いていたケインを追い越して、階段を登り始めた。
(ケインにとって、私は忠誠を誓った王妃であって、それ以上の感情はないんだわ)
好きだとか、愛しているとかの感情はなく、ただ騎士として守るべき人でしかないのだ。
マードックの前に立ちはだかってくれたケインを見て、つい胸を高鳴らせてしまったのを思い出すと、ジョーンは情けなくなった。
「エレノアの提案に助かったわ」
ジョーンは城の中に入り、螺旋階段を登り始めると、後ろにいるエレノアに礼を述べた。エレノアが嬉しそうに頬を赤らめると、首を横に振った。
「マードック殿にはお近づきになさいませぬよう、お願い申し上げます」
ケインが一度足を止めると、振り返って頭を下げた。
(勝手に近づいてきた場合は、どうしろって言うのよ)
「最善を尽くします」
ジョーンは冷たく答えると、前を歩いていたケインを追い越して、階段を登り始めた。
(ケインにとって、私は忠誠を誓った王妃であって、それ以上の感情はないんだわ)
好きだとか、愛しているとかの感情はなく、ただ騎士として守るべき人でしかないのだ。
マードックの前に立ちはだかってくれたケインを見て、つい胸を高鳴らせてしまったのを思い出すと、ジョーンは情けなくなった。