Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
―ジョーンSIDE―

 一四三七年一月十日。午前五時。

 ジョーンはベッドとソファの間に仕切り板を立てて、風呂に入っていた。長方形の風呂に足を伸ばして温かくて心地よいお湯を楽しんだ。エレノアがガウンを持って、風呂の横で待機していた。

 ローラはベッドの脇にある棚から、今日着るドレスとコルセットの用意しているはず。

 ドアが開いた音がすると、間もなく野太い声が聞こえてきた。

(ジェイムズが来たのね)

 ジョーンは湯から身体を出すと、風呂の外へと身体を出した。

 エレノアが赤いガウンを掛けてくれる。ジョーンは腰についている紐を手に取ると、素早く腹の前で縛った。

 ジェイムズが風呂場に足を踏み入れる頃には、ジョーンはガウンを着て、髪も軽く縛り上げた後だった。

「ジョーン、話がある」

 ジェイムズがジョーンに近づいてきた。

「暖炉の前で話しましょう」

 ジョーンは、ジェイムズの横を通ってソファへと近づいていった。暖炉の前に置いてあるソファに座ると、ジェイムズが来るのを待った。
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