Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
一四二四年五月八日。披露宴が始まって六日目の夕刻。
ジョーンは午後六時を過ぎると、ジェイムズに誘われて一緒に大広間を抜け出して散歩に出かけた。
外は太陽が傾き、オレンジの色の空が綺麗だった。
中庭でジョーンは背伸びをすると、疲れきっている体を手の平で揉み解した。風が吹き、薔薇の匂いが鼻腔をくすぐった。
青い芝生の上を、ジョーンとジェイムズが歩いていた。少し離れた場所で、ジェイムズの家臣三人とケイン、エレノアが並んで立っていた。
(もうそろそろ、終わりにならないかしら)
ジョーンは首を回し、肩を動かした。
「今日、事を起こす」
隣で身体を解しているジェイムズが低い声で口を開いた。
ジョーンはジェイムズの言った意味が皆目わからなかった。話す相手を間違えているのか。
疲れて思考力も落ちているだろう。誰に何を話していたのか、忘れてしまったではないかとジョーンは、ジェイムズの顔を見つめた。
「ジョーンに何も話してなかったか?」
「ええ、私は何も聞いておりません」
ジェイムズが一度ジョーンと目を合わせるが、すぐに前を向いた。
「アルバニ公マードックを今夜中に殺す」
ジェイムズの声が一段を低くなった。横顔の目つきも厳しくなる。
ジョーンは午後六時を過ぎると、ジェイムズに誘われて一緒に大広間を抜け出して散歩に出かけた。
外は太陽が傾き、オレンジの色の空が綺麗だった。
中庭でジョーンは背伸びをすると、疲れきっている体を手の平で揉み解した。風が吹き、薔薇の匂いが鼻腔をくすぐった。
青い芝生の上を、ジョーンとジェイムズが歩いていた。少し離れた場所で、ジェイムズの家臣三人とケイン、エレノアが並んで立っていた。
(もうそろそろ、終わりにならないかしら)
ジョーンは首を回し、肩を動かした。
「今日、事を起こす」
隣で身体を解しているジェイムズが低い声で口を開いた。
ジョーンはジェイムズの言った意味が皆目わからなかった。話す相手を間違えているのか。
疲れて思考力も落ちているだろう。誰に何を話していたのか、忘れてしまったではないかとジョーンは、ジェイムズの顔を見つめた。
「ジョーンに何も話してなかったか?」
「ええ、私は何も聞いておりません」
ジェイムズが一度ジョーンと目を合わせるが、すぐに前を向いた。
「アルバニ公マードックを今夜中に殺す」
ジェイムズの声が一段を低くなった。横顔の目つきも厳しくなる。