Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
ジョーンは大広間を退出すると、螺旋階段に苛々した気持ちをぶつけた。一段一段、力を込めて上がっては、怒りを発散させようとした。
ジョーンはケインに呼び止められると、足を止めて振り返った。一段下にいるケインの口が動こうとする前に、ジョーンは唇を動かした。
「わかっているわ。行儀が悪くて、足を痛めるって言いたいんでしょ。でも、私は苛々しているの。ジェイムズが優しすぎて、レティアに喧嘩を売られて、夫人たちは子供の自慢話ばかりで」
ケインの口からフッと息が漏れると、肩を揺らして笑いだした。無表情で鉄面皮なケインの顔が笑顔になった。
「陛下は怒られると、辻褄が合わなくなります。仰っている意味がわかりません」
ジョーンは頬を膨らませると、ケインに背を向けた。
「意味がわからなくて結構よ」
「王妃陛下、待ってください。転んでしまいますよ」
ケインがジョーンの後を追いかけてきた。
ジョーンは早足で階段を上がると、三階にある自室に向かった。広い廊下を小走りで進み、左に曲がった。
大きながドアが見えてくると、三つ目の扉の前で足を止めた。
ジョーンはケインに呼び止められると、足を止めて振り返った。一段下にいるケインの口が動こうとする前に、ジョーンは唇を動かした。
「わかっているわ。行儀が悪くて、足を痛めるって言いたいんでしょ。でも、私は苛々しているの。ジェイムズが優しすぎて、レティアに喧嘩を売られて、夫人たちは子供の自慢話ばかりで」
ケインの口からフッと息が漏れると、肩を揺らして笑いだした。無表情で鉄面皮なケインの顔が笑顔になった。
「陛下は怒られると、辻褄が合わなくなります。仰っている意味がわかりません」
ジョーンは頬を膨らませると、ケインに背を向けた。
「意味がわからなくて結構よ」
「王妃陛下、待ってください。転んでしまいますよ」
ケインがジョーンの後を追いかけてきた。
ジョーンは早足で階段を上がると、三階にある自室に向かった。広い廊下を小走りで進み、左に曲がった。
大きながドアが見えてくると、三つ目の扉の前で足を止めた。