Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
「二ヶ月前から、国王陛下と関係を持っているようです。男性たちには好印象を持たれますが、女性たちの間では良くない噂ばかりのようで、何人かの女性はレティア様に泣かされていると聞きました」

 ローラの口調が重たかった。

 コルセットを外し終わると、エレノアがコルセットをドアの近くに置いてある籠の中に入れた。

 下着も全て脱ぐと、ローラが持ってきてくれたガウンを着た。

「実際に何をしたの? 言葉で言い負かされたのかしら? それとも、許婚を寝取られたとか?」

「噂でしかありませんが、後者が多いようです」

 エレノアが発言しながら、ジョーンと一緒に鏡台に向かった。ローラが先に、鏡台に到着すると、背もたれのついている木の椅子を引いた。

「次の標的は私なのね。高い目標を持ったものね」

 椅子に座ると鏡に映った顔を見つめた。化粧が崩れて、すっかり地肌が見えていた。

 右横に立ったローラがタオルを濡らして、顔を拭きながら化粧を落としていった。後ろに立っていたエレノアが、ジョーンの結ってある髪を解いて、櫛で梳いていた。

「私、レティア様に、ケイン様について聞かれました」

 エレノアの言葉に、ジョーンは思わず驚きの声が漏れてしまった。喉を鳴らすと、唾を飲み込んだ。
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