Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
広い室内には、ジョーンとダグラスの二人きりなった。ジョーンは立ち上がると、ゆっくりと一段下にいるダグラスに近づいていった。
「わざわざ二人きりにして、話したい内容は何かしら? つまらない話なら、止してよ」
ダグラスの前まで近づいてから、横に身体を向けた。窓に向かって数歩進んでから足を止める。窓際までまだ十五フィートはあった。
「私の望みを聞いてくださって、感謝しています。ケインから話を聞かれたのでしょう?」
(やっぱりケインとダグラスには、何かあったのね)
ジョーンはゆっくりと瞼を閉じてから、目を開けた。
「何の話かしら? 私は、ウイリアムを小姓にどうか? と言われたから、考えて、答を出したまでです。他に私が知っておかないといけない内容があるのかしら?」
ジョーンの声が低い。意識して出しているわけじゃなかった。冷静に発言をしなければと考えると、自然と声が低くなっていた。
「何も聞いておられないのですか? てっきり、陛下とケイン殿が」
「つまらない話は止して頂戴と言ったでしょう。これ以上うだうだ続けるなら、退出しなさい」
ジョーンはドアに向かって左手を上げると指を差した。
「わざわざ二人きりにして、話したい内容は何かしら? つまらない話なら、止してよ」
ダグラスの前まで近づいてから、横に身体を向けた。窓に向かって数歩進んでから足を止める。窓際までまだ十五フィートはあった。
「私の望みを聞いてくださって、感謝しています。ケインから話を聞かれたのでしょう?」
(やっぱりケインとダグラスには、何かあったのね)
ジョーンはゆっくりと瞼を閉じてから、目を開けた。
「何の話かしら? 私は、ウイリアムを小姓にどうか? と言われたから、考えて、答を出したまでです。他に私が知っておかないといけない内容があるのかしら?」
ジョーンの声が低い。意識して出しているわけじゃなかった。冷静に発言をしなければと考えると、自然と声が低くなっていた。
「何も聞いておられないのですか? てっきり、陛下とケイン殿が」
「つまらない話は止して頂戴と言ったでしょう。これ以上うだうだ続けるなら、退出しなさい」
ジョーンはドアに向かって左手を上げると指を差した。