ありえへん!!



――





「真瀬、この茶碗類は?」


「あ、それは食器棚の真ん中の段へ。大き目の皿や丼茶碗は上の段にお願いします」


「ん」


廊下に置かれた『キッチン』と書かれた段ボールを取り出して片付けて行く。


一人暮らしなのに何故か食器が多い。


これは大阪の時は実家暮らしやったから此方に出て来る時に母ちゃんがあれもこれもと詰めたからや。


正直、俺には台所回りのことは分からないから母ちゃん任せやった。


仕事の引き継ぎで忙しかったしゆっくりしてる間がなかったから。


だけど…


「お前…一人暮らしで何でこんなに食器いんの?」


そうだよな、俺も驚いてんだから先輩も…驚くよな。


「はぁ、母ちゃん…あ、いや母が勝手に詰めたんで。たぶん家に要らないのを入れたんだと」


「クッククク…そうなのか?あ~だけどそれ分かるな。俺が一人暮らしした時もやっぱりお袋いっぱい持たせたもんな。あれもたぶん処分だったんだろう」


「へぇ~先輩とこもですか」


何処の親も一緒なんやな。


俺は妙に納得した。



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