アシタのナミダ
「ジュリもコレ付けなよ」





手渡されたラベンダー色のリボンは私を金色の髪の蝶に変える。




「ジュリ、似合うよ」そして私達は失われた楽園の最果てで繰り返す。





「買う人間がいるから売る人間がいる。私達はそれに従うだけ」





何が正しくて、何が間違っているかなんて考えなかった。





考えられなかったんだよ。





アナタが立ち止まる事もなく走っていってしまったから、私はついていくので精一杯だったんだ。





「ほら、あそこにいるのがカレシ」





理由もなく冷たい印象を感じた。





周囲に漂う空気すら凍り付かせる気配に私は寒気がした。





でも何度も別れては付き合うカレシに私の知らない最高の笑顔を見せるアナタに出会えたのが嬉しくて、




何も言わなかった事を私は今も後悔してる。





だって、アナタは―――
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