アシタのナミダ
あの日から2ヵ月。





私は軟禁生活から解放される。





とても長く、押し寄せる様々な感情との葛藤の日々だった。





トキオの手を握り話しかけ、カウンセリングとリハビリに疲れて眠ると夢にうなされていた。





退院の日、私は一人で荷物をキャリーバッグにまとめながら考えていた。





ベッドの上に置かれた封筒を見つめる。





これがトキオと私を繋ぐ絆。拾い上げて握り締めた紙は重さなどないに等しく、これがほんとうに私達の絆なのかと思えた。





「ジュリエ。準備できた?」





扉を開けてもたれるサユキが訊ねた。





彼女は大学に入ってからの親友で、高校時代の私を知らない。





「若間さんが待ってるよ」





私が、ジュリだった頃を知らない。





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