アシタのナミダ
カレンⅢ
あの時、





「ただ一つ怖い事は―――ジュリに忘れられる事。だからジュリ、アタシを忘れないで」





カレンは泣いていた。





「忘れない。私、カレンの事は何があっても絶対忘れないから!」





カレン。





今アナタはどこにいるの?





「ありがとう。ジュリ」





会いたいよ。カレンに会いたい。





「ジュリ、空を飛びたい」





アナタが望むなら、私がどこにだって連れていってあげる。





お金なんて気にしないで二人で行きたいところに行こう。





カレンと一緒なら、どんな場所にも行ける。





「アタシ、飛べるかな? この広い空を自由に」





何だってできる。





不可能なんてないんだよ。





「こんなに穢れたアタシでも」





だから―――




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