アシタのナミダ
「カレンを救ったのは、トキオだよ」





また、何かが大きく脈打つ。





「トキオが? どうして?」





わからなかった。





私とカレンと若間さんの思い出になぜトキオが?





「カレンがジュリを紹介してくれるよりも先に、僕がカレンに会わせたんだ。そしてトキオはカレンに約束をした」





「約束?」





私の声は今にも消えてしまいそうに小さく、部室の汚れが染みついた壁に触れてさらさらと砕けた。





「カレンと、お腹の子供を守ると約束したんだ」





不意に吐き気が襲う。





「だからカレンは産む事を決めて、もう一度ホストのカレシに会った」





私は口を押さえてしゃがみ込んだ。





「ジュリ! どうした!?」





「気持ち悪い―――」





若間さんは私に駆け寄り、背中をさする。





「ジュリ、もしかして……」





私は何も言わずに頷いた。




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