空色の瞳にキスを。
「そんなことをしたらお前の持つ魔力も、なくなるんじゃないのか?」

トーヤが心配そうに机に身を乗り出す。


「あたしは平気よ。

ルイの石をつけていなかった、8歳の時にも魔力では国一だったから。」

彼女があまりにもさらりと言って笑うから、その規模の大きさがいまいち掴めない。

だけれどもサラが驚かずに頷いているから、トーヤもゆっくりとその事実を飲み込んでいく。



そんなトーヤに、アズキが咎めるように言う。

「トーヤ、まずはさ、もっと大きな問題があるんじゃないの?」


「え?」


トーヤはなんのことか分かっていないらしい。


「その石はその…今の王様には使えるんじゃないの?

それを使われて、国をもっと軍事国家にされたら、嫌だから。

私みたいな人が増えるのは嫌だから。」

その答え次第では、ナナセの行動を阻止しそうな勢いで偽りの姿のファイを通してナナセを射抜くように見る。


「うん、ライには使えないみたいよ。

この石はどうやらルイの王族しか使えないみたいなの。

だから王族じゃないライは石は使うことができないはずだから大丈夫。


だけど、国王の飾りとして威厳を示すには使えるし、国の宝を王女から奪い返したとなると、国の喜びは高まるはずよ。」


自分のことを利用させてまで、国を保とうとする心はコルタには理解できなかった。

彼女が王女だと改めて知らされる。


「死ぬ気か?」

カルヤのその問いには強い瞳の光が返ってくる。


「まさか。死ねないわ。


…そうね、でも追われる立場は避けられないから…また旅をしようかな。」

そう言って、俯き淡く微笑む。

その姿はどこか弱々しく、大人たちにも彼女の姿は両親を無くした年相応の少女に映った。



いくらかの静寂のあと、サラが乾いた唇を舐めてまたファイに尋ねた。

「もしも、もしもだよ。」


そんな台詞に目を丸くしながらファイは黙ってサラの声を聞く。



「お前さんを国民皆が好いていて、皆が王になれと言ってくれたら、どうするんだ?」


予想していなかった言葉に、ファイの瞳がぐらりと揺れて、ファイよりナナセが青く滲む。

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