空色の瞳にキスを。
「じゃあ魔力がちゃんと戻るまで待てよ。今戻りかけらしいんだからさ。」
声音は冷めていて言葉はつっけんどんだが、怒ってはいないようだ。心配してくれていたのかも知れない。
ナナセがそっと見上げれば、ルグィンの表情がどこか和らいだ。
やめる気はない。けれど、心配してくれただろう相手に、申し訳なくて、言葉が落ちた。
「うん。ごめんね。」
ナナセの困ったような笑顔に、ルグィンが微かに苦笑した。
「お前な……。」
やめる気がないとばれていると、ナナセはぎくりとしてルグィンの隣を逃げ出して、廊下の角を一足先に曲がる。
「ユリナちゃん!」
呼ばれたのはナナセの仮名。
顔をあげた彼女が見たのは、廊下の先から手を振るサシガネと相棒を追うトキワだった。
「……ちっ、」
「ルグィン?」
「……いや、なんでもない。」
ナナセは、ユリナとして左手を上げて手を振り返す。
他の首狩りであったなら銀色の王女に眩んでいただろうが、彼らは今のところ、追及せず手を出す気はないらしい。
スズランもそう諦めて、彼らとふたりが出会うことを渋々許している。だから黒猫も彼らに出会うことに口を挟まない。
「ユリナちゃん、おはよう。」
サシガネがいつものように眩しい笑顔を見せた。それにつられて、ユリナは笑った。
「おはようございます。」
ルグィンは細く華奢だが、この二人は力も自慢の首狩りと言うだけあって、体型も大の男の体型だった。
ルグィンが並んでさえがっちりとした印象を受けるサシガネ達がナナセの隣にいると彼らのアンバランスさが際立つ。
「黒猫も早いな。」
「悪いか。」
長い黒髪をさらりとかき上げるトキワに向かって短く返すルグィンが、少しだけナナセにはさっきまでの彼と違うように見えた。
「怪我は大丈夫か?」
火花が散りそうな睨み合いをしている二人は置いておいて、袖から見えた包帯にサシガネが心配そうに首をかしげた。
首狩りの彼らも同じように怪我をしていたのだが、治りの早さはその時身体に残っていた魔力量の差だろうか。
大丈夫ですと笑ったユリナはそういえば、と続けた。
「サシガネさん達はお仕事無いんですか?」
「いつも屋敷にいるように見えるって?やられたなぁ。おいトキワ、俺達無職に見えるんだってよ。」
「なんだって、心外だな。」
ルグィンと睨み合っていたトキワに声がかけられ、ふたりからからかって責められるユリナは、どうしていいのか分からない。
「え、いや、あの。」
「いやいや、じょーだん冗談!」
言葉に詰まったユリナの背中をバシバシ叩いて笑うと、サシガネは続けた。
声音は冷めていて言葉はつっけんどんだが、怒ってはいないようだ。心配してくれていたのかも知れない。
ナナセがそっと見上げれば、ルグィンの表情がどこか和らいだ。
やめる気はない。けれど、心配してくれただろう相手に、申し訳なくて、言葉が落ちた。
「うん。ごめんね。」
ナナセの困ったような笑顔に、ルグィンが微かに苦笑した。
「お前な……。」
やめる気がないとばれていると、ナナセはぎくりとしてルグィンの隣を逃げ出して、廊下の角を一足先に曲がる。
「ユリナちゃん!」
呼ばれたのはナナセの仮名。
顔をあげた彼女が見たのは、廊下の先から手を振るサシガネと相棒を追うトキワだった。
「……ちっ、」
「ルグィン?」
「……いや、なんでもない。」
ナナセは、ユリナとして左手を上げて手を振り返す。
他の首狩りであったなら銀色の王女に眩んでいただろうが、彼らは今のところ、追及せず手を出す気はないらしい。
スズランもそう諦めて、彼らとふたりが出会うことを渋々許している。だから黒猫も彼らに出会うことに口を挟まない。
「ユリナちゃん、おはよう。」
サシガネがいつものように眩しい笑顔を見せた。それにつられて、ユリナは笑った。
「おはようございます。」
ルグィンは細く華奢だが、この二人は力も自慢の首狩りと言うだけあって、体型も大の男の体型だった。
ルグィンが並んでさえがっちりとした印象を受けるサシガネ達がナナセの隣にいると彼らのアンバランスさが際立つ。
「黒猫も早いな。」
「悪いか。」
長い黒髪をさらりとかき上げるトキワに向かって短く返すルグィンが、少しだけナナセにはさっきまでの彼と違うように見えた。
「怪我は大丈夫か?」
火花が散りそうな睨み合いをしている二人は置いておいて、袖から見えた包帯にサシガネが心配そうに首をかしげた。
首狩りの彼らも同じように怪我をしていたのだが、治りの早さはその時身体に残っていた魔力量の差だろうか。
大丈夫ですと笑ったユリナはそういえば、と続けた。
「サシガネさん達はお仕事無いんですか?」
「いつも屋敷にいるように見えるって?やられたなぁ。おいトキワ、俺達無職に見えるんだってよ。」
「なんだって、心外だな。」
ルグィンと睨み合っていたトキワに声がかけられ、ふたりからからかって責められるユリナは、どうしていいのか分からない。
「え、いや、あの。」
「いやいや、じょーだん冗談!」
言葉に詰まったユリナの背中をバシバシ叩いて笑うと、サシガネは続けた。