空色の瞳にキスを。
訓練室に入ってきた女に、視線が扉へ集まった。そして銀髪を見て、男たちが一瞬静まり返った。
入り口すぐの部屋は武器を置いている武器庫のようだった。大小様々なたくさんの種類の武器がところせましと並んでいる。武器と同じくらいに多くの人たちがひとつの大きな部屋にごった返している。
ユリナの視線の先にあるもうひとつの木製の扉を開けば、訓練室と言う名の武闘場があるのだろう。先に入っていった三人はもう先の部屋に進んだのか。
ユリナもその部屋に行こうと思うが、そこが訓練室だと言うのならこの中で何か武器を持っているべきだと気付いた。
壁にかかった杖を品定めしていると、背後の男たちの囁きがやけに耳についた。
「おい、あいつ……!」
「ナナセ?」
「今いくらだった?」
「えっと……」
──大丈夫。慣れている。
突き刺さる鋭い視線に怯えないように振り返る。
見覚えのある──刃を向けられたことある顔がたくさんいた。
今はユリナとして知らない振りをする。そして壁にかかっている武器の中に、身の丈に合う長い木の杖を見つけて、近くの男に尋ねた。
「これ、借りていってもいいですか?」
すると男は無言で立てかけてあった黒い木の細い杖を片手で取り、彼女の目の前に突き出した。
「ありがとう。」
無言で睨み見てくる男に内心怯えながら、小さく笑んで目の前から走り去る。男たちに注目されながら、彼らの間をすり抜けて、杖を手にユリナはまたひときわ大きな扉を開いた。
扉の軋んだ音と共に彼女を迎えたのは、一際大きな歓声と男たちの熱気、そして剣の交わる金属音。
むせかえるような独特の雰囲気に呑まれ、彼女は入り口ではたと足を止めた。
「わ……。」
叫び声が、狂うほどの熱気が、ただ純粋にユリナとしてここにいる彼女に声をあげさせた。
ユリナは腕に抱いた黒い戦闘用の細い棒を無意識に握り締めた。
中央にある複雑な造りの足場を飛び回っているのは四人。
黒い長髪を首筋で束ねた背の高い男と、金色の短い髪の男、そして赤髪のがっしりした男と、黒と紺の混じった髪のどこか華奢な男。黒髪と金髪のふたりはトキワとサシガネだった。
細い棒の組まれた比較的大きな足場の上でサシガネとトキワがふたりで連携している。二人対二人の四人で戦っているようだ。
サシガネたちは足場なんかほとんど使わずに、他の二人を相手している。
足場の棒から飛び上がっての空中戦。相手の二人組の男も、相当の手練のようだった。それぞれの持つ剣が、長槍が、絶え間なく打ち合われ、高い金属特有の音が広い部屋一杯に響く。
相手側の二人組も、ナナセには見覚えがあった。彼らもまた有名な首狩りだ。
ユリナは四人の闘いを部屋いっぱいの人混みの一番後ろから見ていた。
男たちは熱狂し、野次を飛ばす。ユリナは耳が痛くなったが、ここから逃げようとはしない。青い光を称えた彼女の瞳は、彼らの行く末を見つめる。
入り口すぐの部屋は武器を置いている武器庫のようだった。大小様々なたくさんの種類の武器がところせましと並んでいる。武器と同じくらいに多くの人たちがひとつの大きな部屋にごった返している。
ユリナの視線の先にあるもうひとつの木製の扉を開けば、訓練室と言う名の武闘場があるのだろう。先に入っていった三人はもう先の部屋に進んだのか。
ユリナもその部屋に行こうと思うが、そこが訓練室だと言うのならこの中で何か武器を持っているべきだと気付いた。
壁にかかった杖を品定めしていると、背後の男たちの囁きがやけに耳についた。
「おい、あいつ……!」
「ナナセ?」
「今いくらだった?」
「えっと……」
──大丈夫。慣れている。
突き刺さる鋭い視線に怯えないように振り返る。
見覚えのある──刃を向けられたことある顔がたくさんいた。
今はユリナとして知らない振りをする。そして壁にかかっている武器の中に、身の丈に合う長い木の杖を見つけて、近くの男に尋ねた。
「これ、借りていってもいいですか?」
すると男は無言で立てかけてあった黒い木の細い杖を片手で取り、彼女の目の前に突き出した。
「ありがとう。」
無言で睨み見てくる男に内心怯えながら、小さく笑んで目の前から走り去る。男たちに注目されながら、彼らの間をすり抜けて、杖を手にユリナはまたひときわ大きな扉を開いた。
扉の軋んだ音と共に彼女を迎えたのは、一際大きな歓声と男たちの熱気、そして剣の交わる金属音。
むせかえるような独特の雰囲気に呑まれ、彼女は入り口ではたと足を止めた。
「わ……。」
叫び声が、狂うほどの熱気が、ただ純粋にユリナとしてここにいる彼女に声をあげさせた。
ユリナは腕に抱いた黒い戦闘用の細い棒を無意識に握り締めた。
中央にある複雑な造りの足場を飛び回っているのは四人。
黒い長髪を首筋で束ねた背の高い男と、金色の短い髪の男、そして赤髪のがっしりした男と、黒と紺の混じった髪のどこか華奢な男。黒髪と金髪のふたりはトキワとサシガネだった。
細い棒の組まれた比較的大きな足場の上でサシガネとトキワがふたりで連携している。二人対二人の四人で戦っているようだ。
サシガネたちは足場なんかほとんど使わずに、他の二人を相手している。
足場の棒から飛び上がっての空中戦。相手の二人組の男も、相当の手練のようだった。それぞれの持つ剣が、長槍が、絶え間なく打ち合われ、高い金属特有の音が広い部屋一杯に響く。
相手側の二人組も、ナナセには見覚えがあった。彼らもまた有名な首狩りだ。
ユリナは四人の闘いを部屋いっぱいの人混みの一番後ろから見ていた。
男たちは熱狂し、野次を飛ばす。ユリナは耳が痛くなったが、ここから逃げようとはしない。青い光を称えた彼女の瞳は、彼らの行く末を見つめる。