空色の瞳にキスを。
そう言いかけた時、背後から背中にぬくもりが触れた。
「俺が組む。」
隣を見上げれば、前にいる二人の男をまっすぐ見つめる横顔があった。
「ルグィ……?」
「俺が、こいつと組む。」
真っ直ぐに男たちを見つめるその横顔を、ユリナはただただ見上げるだけ。視線の先の金色の瞳は、やけにきつい光を放つ。
「お前は?」
男たちが、彼を探るような瞳で見る。帽子を深く被り直して口を開く。
「……シュン。」
そう、一言だけ呟いて右手でユリナの左腕を引く。あ、と小さな声がユリナから零れた。
ぐらり、とユリナはバランスを崩して、腕を引っ張った彼の右手で受け止められる。屈んだ彼の細くて長い髪が頬に当たり少しだけくすぐったい。
「──なんで俺を指名しない。」
彼は彼女にぼそ、と耳元で小さな声を送る。
「……え、」
顔を上げた少女は、苦しそうな表情を見せた。今にも泣き出しそうな瞳に、ルグィンはひやりとした。
「……わるい。」
「……頼って、いいの?」
ルグィンは悟る。ユリナ──ナナセは、頼ることをほとんど知らないことを。
彼も頼ることは苦手だが、ここまで孤独には生きていない。ルグィンは右手を彼女の頭に乗せてあたたかさを分ける。
「俺を信じられるなら、頼れよ。」
ひどく真剣な金色に、ユリナは気圧されした。
「……俺がユリナごと守る、から。」
ルグィンは瞳を合わせて、ユリナへ呟いた。
ユリナはどうしたら良いのか分からなくて、言葉をなにも返せなかった。守られるなんて、久しい。
ぐ、と堪えた空色の瞳を隠すように彼女の髪を乱す。
「作戦会議は終わったのか?」
首狩りの片方がにやにやと下卑た笑いを見せた。
「うん。待ってくれてありがとう。」
彼女の曖昧さは薄れることなく、闘いの前でさえ穏やかに笑って答えた。
少年と銀の少女の二人組と首狩りが闘うということで、まわりの野次馬たちは早く始まらないかとうずうずしていた。
ユリナたちが立つ反対側の足場に二人の男が上がると、いちだんと群衆が騒がしくなった。
足場の端に立つ男ふたりは、楽しげに下から見上げる知り合いに手を振っている。相手はふたりとも剣を使うらしい。
「四人、準備はいいか?」
下から審判役が声をかけると、それぞれが合図を返す。
「READY──」
それぞれが武器を構えた。
「──GO!」
闘いが始まる。
四つ、踵の音が鐘のように高く鳴り響いた。
「俺が組む。」
隣を見上げれば、前にいる二人の男をまっすぐ見つめる横顔があった。
「ルグィ……?」
「俺が、こいつと組む。」
真っ直ぐに男たちを見つめるその横顔を、ユリナはただただ見上げるだけ。視線の先の金色の瞳は、やけにきつい光を放つ。
「お前は?」
男たちが、彼を探るような瞳で見る。帽子を深く被り直して口を開く。
「……シュン。」
そう、一言だけ呟いて右手でユリナの左腕を引く。あ、と小さな声がユリナから零れた。
ぐらり、とユリナはバランスを崩して、腕を引っ張った彼の右手で受け止められる。屈んだ彼の細くて長い髪が頬に当たり少しだけくすぐったい。
「──なんで俺を指名しない。」
彼は彼女にぼそ、と耳元で小さな声を送る。
「……え、」
顔を上げた少女は、苦しそうな表情を見せた。今にも泣き出しそうな瞳に、ルグィンはひやりとした。
「……わるい。」
「……頼って、いいの?」
ルグィンは悟る。ユリナ──ナナセは、頼ることをほとんど知らないことを。
彼も頼ることは苦手だが、ここまで孤独には生きていない。ルグィンは右手を彼女の頭に乗せてあたたかさを分ける。
「俺を信じられるなら、頼れよ。」
ひどく真剣な金色に、ユリナは気圧されした。
「……俺がユリナごと守る、から。」
ルグィンは瞳を合わせて、ユリナへ呟いた。
ユリナはどうしたら良いのか分からなくて、言葉をなにも返せなかった。守られるなんて、久しい。
ぐ、と堪えた空色の瞳を隠すように彼女の髪を乱す。
「作戦会議は終わったのか?」
首狩りの片方がにやにやと下卑た笑いを見せた。
「うん。待ってくれてありがとう。」
彼女の曖昧さは薄れることなく、闘いの前でさえ穏やかに笑って答えた。
少年と銀の少女の二人組と首狩りが闘うということで、まわりの野次馬たちは早く始まらないかとうずうずしていた。
ユリナたちが立つ反対側の足場に二人の男が上がると、いちだんと群衆が騒がしくなった。
足場の端に立つ男ふたりは、楽しげに下から見上げる知り合いに手を振っている。相手はふたりとも剣を使うらしい。
「四人、準備はいいか?」
下から審判役が声をかけると、それぞれが合図を返す。
「READY──」
それぞれが武器を構えた。
「──GO!」
闘いが始まる。
四つ、踵の音が鐘のように高く鳴り響いた。