【BL】俺がお前にできること
そんな今の弥生ちゃんにも
俺は惹かれてるんだ……
「…相変わらずだな、陽向。でも、お前の場合は現実も見ねぇと……弥生が傷付くぞ」
低い声が俺の耳に静かに入ってくる。
剛が低い声を出すときは、いつもよりも真剣な話をするときだ。
そんな剛みて小さく笑う。
そうだよなって改めて考える。
現実を考えたら俺は、弥生ちゃんにこれ以上
近づいてはいけない。
俺は、父さんの会社を継がなければならないから。
だから、先が見えない相手と
どうこうなってはいけない。
どんなに好きであっても
弥生ちゃんは、男だから………俺が男だから…。
「それでも……もう後には引けないくらい弥生ちゃんが好きなんだ」
「お前の勝手でどうこう出来んの?
陽向は本当に最後まで弥生を手離さずにいられんのかよ?」
「そんな先のこと、まだ分から……」
「そんな曖昧で、弥生を守れるのかよ。
…今なら遅くねえ。今のうちに弥生とは距離とっとけ。弥生だって、それを望んでる…」