【BL】俺がお前にできること
どうして剛はそこまで俺と弥生ちゃんを
離れさせようとするのだろうか。
その先を考えて、ムカついて乾いた笑いが零れた。
「もしかして剛も好きなの?…弥生ちゃん」
「……」
「もし好きなら、ちゃんと言って?……言わずに奪ったら、殺すよ?」
くすり。笑って剛をみる。
まー…半分は冗談だけど。
そんなとき。
ピーーーーーーーーッ!!
審判の笛の音が館内を響き渡り
俺はそちらに目を向けた。
そこには倒れこむ瑛知と…弥生ちゃん。
「2Bファール」
そう言って審判はボールを瑛知に渡す。
どうやら弥生ちゃんが攻めていて、守っていた瑛知に勢いよくぶつかったらしい。
「そんな……っ」
でも弥生ちゃんは、その判断を
不服に感じている。
「…いってぇっ!!
痛いっすよ、弥生せんぱい!手加減してくださいよ」
大声で痛がる瑛知に
みんなが同情の声をあげる。