【BL】俺がお前にできること
「……っ!!」
1Bの守りを抜くために素早い動きをする弥生ちゃんの顔が歪んだ。
今のプレーで
きっと足に負担がかかったんだろう。
スピードは遅いけど、バスケ経験がないやつを抜くのは弥生ちゃんなら容易い。
そして、シュートをうちゴールした瞬間
試合終了のホイッスルが鳴った。
その試合は2点差で2Bが勝利を修めた。
「弥生! やったな!
さすが俺の嫁~……って、弥生!?」
濱田が弥生ちゃんに近付いて行くと同時に
弥生ちゃんは
床にうずくまった。
「や、弥生? やっぱり、さっきの……」
「へーき。濱田、あんまり騒がないで」
試合中は痛そうに顔を歪ませて
終了後には床にうずくまるほど痛いはずなのに、濱田を見上げた弥生ちゃんの顔は、いたってフツーだった。
まるで、怪我なんて感じさせないくらい。