【BL】俺がお前にできること
「それより、郁馬くんの試合は見なくて大丈夫なのか?」
郁馬の名前が出た瞬間ピクリと肩が揺れてしまったのを隠すように、俺は先輩に笑った。
「人混みに酔っちゃって……少し外の空気でも吸いたいなって……」
てゆーか、剛さん。
郁馬のことも知ってるとか凄いね。
それだけ郁馬が有名ってことかな。
「そっかー。…あ、俺も自販機行きたいから一緒にいこう!」
今思い付いた、そんな様子で剛さんが言うものだから、俺は失礼だと思いながらもくすっと笑みが零れた。
「ふふ…いいですよ」
にこりと笑って俺が剛さんの隣に並ぶと
剛さんが嬉しそうにしていた。
こんなときでも郁馬きてくれないかなー…だなんて。
考えすぎだよな、って小さく笑った。