【BL】俺がお前にできること
「あ、えーと……翔太くん、だよな?」
いかにも男前、って人が話しかけてくる。
身長は郁馬と同じくらい。
髪は、綺麗な栗色。染めてんのかな?
…てゆーか
「誰ですか…」
俺は先輩と関わりあうこと自体ないから、ほんとに分からない。
すると、その先輩は
くすっと可笑しそうに笑って自己紹介した。
「俺は、剛。陽向しってる?そいつのダチで、弥生の先輩」
あ、陽向さんの……。
陽向さんと並んだら、女子からキャーキャー言われそうだ。
弥生の先輩ってことは、弥生と仲良いのかな?
だったら弥生が俺のこと話したとか?
「そうなんですか?」
「うん。だから君のこと知ってるんだよ!
仲良くしたいなって思って声かけたんだけど……迷惑だった?」
「そんな訳ないですっ!よろしくお願いします」
警戒していた心を解いて、穏やかに笑って剛さんを見た。
剛さんも照れ臭そうに、よろしくって笑ってくれたから、なんだか…とても気持ちがぽかぽかした。
何も考えなければ、俺はいつだって笑っていられる。