【BL】俺がお前にできること
「別に~。なんか不毛だなーって。翔太くんの恋は」
「不毛?」
「だってそうだろ?郁馬くんは、翔太くんを友達としか見ちゃいない。…なぜかって?だって、郁馬くん、好きな子いるよな?」
なんで……なんで、この人は
俺と郁馬のことも詳しいんだ……
「郁馬くんの場合は、見てれば分かる。
さっきも楽しそうにその子と話してたし」
それは、きっと鈴のことだ。
あの時の郁馬は俺なんて目に入ってはいなかった。
「翔太くんの場合は……似てるんだ、弥生に」
「……弥生に?」
「そう。中学の頃の弥生にそっくり。
顔とか性格は全然違うんだけど……雰囲気、って言うのかな」
そう言った剛さんは悲しそうに笑った。
俺の推測でしかないけれど
その理由は……なんとなく、弥生と同じ結末を追うよ、そう言われた気がしたんだ。