【BL】俺がお前にできること
そのあと、弥生は陽向さんのとこへ行って
俺は鈴と
体育館を出て人気のない場所までやってきた。
「この前はごめんね」
何に対しての、ごめんなんだろう……
「いいよ。それで、どうしたの?」
にこり、何も知らない風に笑う。
あぁ、こわい。聞きたくない。
頬を赤らめて、ずっと前に見たアイツの表情とかぶるんだ。
「あたしは郁くんが好き。言ったよね?」
「うん」
「翔太は、あまり良く思ってないけれど……いや、だからこそ、協力してほしいの。翔太に認められた上で郁くんに告白したいの」
あぁ、どうして。
どうして、こうも協力をする側に回るんだろ、俺。
前は郁馬だった。
俺の大好きな人。協力するのは嫌だったけれど
アイツが笑うの見て……少しだけど満たされた。
でも今回は……郁馬じゃない。
「いやだ。協力なんてしてやらない」
自分一人でなんとかしろ。
自分の気持ちなんだから。