【BL】俺がお前にできること




そのあと、弥生は陽向さんのとこへ行って
俺は鈴と
体育館を出て人気のない場所までやってきた。




「この前はごめんね」



何に対しての、ごめんなんだろう……




「いいよ。それで、どうしたの?」



にこり、何も知らない風に笑う。

あぁ、こわい。聞きたくない。



頬を赤らめて、ずっと前に見たアイツの表情とかぶるんだ。





「あたしは郁くんが好き。言ったよね?」



「うん」




「翔太は、あまり良く思ってないけれど……いや、だからこそ、協力してほしいの。翔太に認められた上で郁くんに告白したいの」





あぁ、どうして。
どうして、こうも協力をする側に回るんだろ、俺。



前は郁馬だった。

俺の大好きな人。協力するのは嫌だったけれど
アイツが笑うの見て……少しだけど満たされた。




でも今回は……郁馬じゃない。





「いやだ。協力なんてしてやらない」





自分一人でなんとかしろ。

自分の気持ちなんだから。







< 264 / 382 >

この作品をシェア

pagetop