Hurly-Burly 4【完】
しかも、怪しい宗教団体とかインチキな絵画を売るとか
高価でもなさそうな壺を一緒に売ろうとかそういう類のだ。
何でも、あたしのオーラというものに惹かれるのだと
何度も言われたから覚えてしまった。
ナンパというものをされたいとは思わないが、
ちょっとぐらい容姿を褒められたいものだ。
ちんちくりんだから褒められることはない。
自分で言って悲しいな。
「君だって、されるんじゃないか?」
「残念ながら生まれてこの方されたことがないのです。」
「そ、そうか。」
ダンディーさん顔が引きつってます。
そんな、遠慮なさらず笑ってくれて構わない。
「ちんちくりんなのでしょうがないです。
よ、容姿だけが全てだとは限らんのです。
き、き、きっと、中身が大事ですからに。」
あたしの中身を認めてくれる殿方が居るはずだわ。
「大丈夫、君は可愛いからね。それに・・」
「それに?」
ダンディーさんが笑みを零した。
「それで、彼女のが上手だったんだ。」
「は、はい!?」
話逸らされたよ!!
ダンディーさん、肝心なこと答えてくれてない。
な、何か、聞いちゃいけないことなのかしら?
「それが、美人でか弱そうに見えて案外
ガード固くてね。」
「女性をナメてはいけませんよ!」
あたしも、こう見えて一応空手初段レベルの
実力を持っているのだから。
サユはもっと上の階級だが、あたしも小さい
だけではないパーフェクトレディーになるべく
して体力を付けてきている。
「確かにそう思った。ただ唖然と知人が
彼女に謝って逃げていくところを見てて、
それで彼女が俺に気付いて恥ずかしそうに俯いていた。」
「うむむ、それでは奥様の方がお先にお好きで
いらしたのでしょうか?」
「さぁ、それはどうだろう?」
ダンディーさんは懐かしそうだった。
「ただ、今になると思うことがある。
俺は、彼女に出会って居なかったらまともな人間
ではなかっただろうなと。」
ダンディーさんの漆黒の瞳がとてつもなく
深い黒色に染まっているような気がした。