Hurly-Burly 4【完】
ダンディーさんはマグカップをお皿に戻した。
「生前、赤ん坊ってのは自分から好んで両親を
選ぶという説がある。」
「ええ、あたしもとても興味深いと思っています。」
どこかの本で読んだ仮説の話だが何となく本当な
気がすると思っていた。
だって、あたしは母さんと父さんの娘として生まれて
きたことに誇りを持っている。
口では何とでも言えるが、心の底から両親があの2人で
良かったと思っているのだ。
絶対、2人を前に言ったりはしないが、心はいつもそう思ってる。
「俺は、選べなかったんじゃないかって思うことがあった。」
「選べなかったとは?」
「自分の意志とは違う両親を選んでしまったような気がしてね。」
「そんな、・・・」
悲しすぎるわ。それでは、ダンディーさんは両親を・・・。
「君は本当にとても素直な子だね。」
「あ、すいません。気を害してしまいましたか?」
「いや、いいんだよ。その真っ直ぐさに救われる。」
「えっ!?」
「君と居ると落ち着くね。やっぱり、娘に欲しいな。」
「何をおっしゃいますか。」
※心底、ドギマギしている。
「両親には今なら感謝をしている。
自分の将来というものはそもそも自分で決めることだった。」
「将来?」
「家柄が少し特殊でね、継がないといけないものだとばかり
思っていたが、それは俺が自分でずっとそう思い込んでいたからだ。」
家柄か、他人事には思えなくて頷いた。
今のあたしが最も近い状況に居るように思えた。
あたしも一ノ瀬を継がなくてはいけないという使命感がある。
きっと、これから進む道は修羅の道だ。
手放さなくてはならないことばかりだ。
それを、誰かのせいにするつもりもないが、
将来は自分で決めることか。
それが、例え間違っていても決めなくてはならないのだろうか?
「それを諭してくれたのは俺の家内なんだ。
グダグダ家を継いで最低な俺を今の君のように、
真っ直ぐに受け止めてくれた。」
その言葉にビックリして目を見開いた。