Hurly-Burly 4【完】

あたしが真っ直ぐなのだろうか?

「情けないことに頭が上がらないよ。

美人な上に心が広くてね、優しい人で

今では俺の方が必要としていると思う。」

「ふふ、お幸せなんですね。」

ダンディーさんが本当に奥さんを大事に思っている

のは明白だった。

「これ、内緒にしといてくれる?あんまり言うと

格好悪いからね。」

「そんなことないですよ。素敵です。

ダンディーさんのお気持ちは大事にして下さい。

奥様もきっと嬉しいはずですから、とても

羨ましく思いました。」

結婚なんてするか分からないけど、出来れば

誰かを好きになりたかった。

そんなことはきっと叶わない夢の話だ。

だから、割り切らなければならない。

悲しいわけではない。ただ、残念には思っている。

「君にだってそう思える相手に出会えるさ。」

出会えたとしてもその感情に意味なんてあるんだろうか?

やっぱり、分からない。

好きって感情の理屈があたしには理解出来ない。

そもそも、誰かを好きになること自体ありえないの

かもしれない。あたしにそんな感情生まれるわけない。

「そうだといいですね。」

曖昧に頷いてダンディーさんの話に戻した。

強制的にというよりは話の続きを聞きたかったからだ。

人の経験談は時に自分のためにもなる。

だから、馬鹿にしてはいけない。

経験をしてない未熟者のあたしには熟練者の

言葉が何よりも勉強になった。

「すみません、どうしてダンディーさんは

自分を最低だなんて言われるのですか?」

こんなに素敵な方だというのに決め付けて

しまうのはどうも腑に落ちない。

「最低だよ、今も日和ちゃんを連れてて

いいわけないんだ。そんなことは百も承知

で君ともう一度話がしたかった。」

「そんな、言って下さればいつでも

お供させて頂きますよ。」

漆黒の意志の強い瞳が困ったように揺れ動いた。

堂々とした姿勢でいたダンディーさんが動揺を

見せたからどうしたんだろうと顔を覗こうとした。

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