Hurly-Burly 4【完】

***


said:成


ヒヨリンのあんな取り乱したところは初めて見た

ような気がした。

いつもポーカーフェイスで、たった今笑ってた

はずにヒヨリンを一瞬で変えた電話が気になる。

「ちぃー!」

きっと、尋常じゃないことが起きたんだって

誰もが理解出来た。

ヒヨリンのケータイを拾って電話に出たサユリン

だって動揺して一瞬ケータイを落としたと思ったら

ヒヨリン同様に自転車を奪って飛ばした。

「何があったんだ?」

「とりあえず、あの2人の暴走止めないと・・・」

馨が落ちたケータイを拾って相手を伺うように

ケータイに喋りかけた。

「えっと、初めましてと言うべきなんですかね?」

《ほー、お前は・・・》

「彼女とはどういうご関係なんですか?」

《・・・秘密と言いたいところだけど、

そういうわけにも行かない状況になりそうで、

2人はどうした・・・・・?》

誰と話してるのかちっとも分からなかった。

馨の口調からすると知ってるヤツっぽい。

何で、馨の知り合いらしいヤツとヒヨリンと

連絡取り合ってるんだと疑問が生まれた。

「取り乱して駆けて行きましたけど?」

《やっべーな。》

「あまり理解出来ないんですね。」

《あれ、絶対に勘違いしちゃったな。

悪いから追いかけて止めてやってくんないか?》

「・・・・それは困りましたね。」

はぁと小さくため息を漏らす馨の様子

をジッと見守る。

《困ったとは言いつつもお前はやってくれるだろ?》

「随分と買い被られたもんですね。」

《頼むよ、俺の命よりも大事な恩人が大切に

してる子なんだよ。》

「・・・・日和ちゃんが?」

《これ以上は何とも言えねーからとりあえず

頼まれてくれねぇーか。》

馨の困った顔がいつもより困惑していた。

空に照らし出された太陽が雲に遮られた。

< 366 / 455 >

この作品をシェア

pagetop