Hurly-Burly 4【完】
そして、名前覚えてたんだ?
「ひーちゃん、可愛い。大好きだよ、マイエンジェル。」
「き、キモい。」
兄ちゃんがこんな感じだと中々言えそうにないや。
「えー、ひーちゃんから愛を感じられなくて
兄ちゃん寂しさで死んじゃうよ?」
「うさぎか!!」
って、いつもの癖で突っこんでしまった。
「お兄さん、手貸しますよ。」
馨君が兄ちゃんに手を差し出す。
「おー、君は好青年だね!ひーちゃんをよろしく
お願いします。ちょっと、ツンデレさんでお茶目な
可愛い天使でしょ?」
「えっ?」
ほら、馨君困らせて何馬鹿なこと言ってるんだ!
「馨君、気にしなくていいから放置しても大丈夫だから。」
「透真さん、お兄ちゃん来るって言ってますけど?」
サユがケータイを眺めながら兄ちゃんにそう言うと、
「真、そんなに俺が好きだったか!」
よろけながらも馨君の手を借りて反対側はあたしが
支えるも押しつぶされそう。
真君、我が兄はどうも過信しすぎのようだ。
「だ、誰か、ひーちゃんと選手交代!このままじゃ
ひーちゃんが潰れてぺちゃんこになっちゃうよ。」
兄ちゃん、慌てる一方であたしに体重かけ過ぎ。
「ぐほっ」
見かねたのか隣に居たちぃ君が代わってくれた。
「どうやら、あたしの成長にまだ期待が・・・!」
身長の足りなさをどうにかカバー出来るような
強靭な力を手にしようと思います。
「やー、やー、千治君!」
お願いだから、変なことしないでよ。
馨君とちぃ君がソファーまで兄ちゃんを
支えてくれた。
そうこうしてると、スーツ姿で駆けつけて
くれた真君がため息を吐きながら頭を抱えていた。
「透真、大丈夫か?」
「しーん、俺はスタンドな俳優になった気分だぜ!」
「日和ちゃん、コイツ頭打ったの?ついでに、検査
してもらった方が良さそうだな。」
「いや、常にこれが通常なのです恥ずかしながら。」
真君とは苦労を共にしているところだ。
しかし、仕事だったはずなの優しい真君。
こんな時でもまだ見捨てずに心配して来てくれる
真君という優しい友人を持てて我が兄ながら幸せ者だ。