Hurly-Burly 4【完】

イマイチ、状況が理解出来なくて瞬きが高速で

始動して目が乾くところでもう一度後頭部を

攻撃されて痛みによって目が覚めた。

「テメェ、どこほっつき歩いてんだ。マジで、

花摘んでるとか勘弁しろよ。」

金髪の髪が暗闇の中、街灯に当たって輝いた。

「な、何で・・・?」

け、慶詩が目の前に居ることに驚きを隠せなかった。

「それはこっちのセリフだ、ばっきゃろう!」

ベシッとまた頭を叩かれてギョッとした。

な、何で何回も叩かれてんだ!

こ、これは神様から与えられた天罰なのね!!

「人の話聞けや。つーか、転んだのかよ?」

「こ、転んでない!」

「どれ、見せて見ろ。俺様がしょうがなく見てやる。」

「だから、転んでないってば。」

ぶっきらぼうに差し出された手にキョトンとした。

「何だ、この手は?」

「見りゃ、分かんだろうが!!」

「わ、分からないから聞いている!」

確かに、手を差し伸べて欲しかった。

もう挫けそうで1人で立ってられなくて、

欲しかったんだと思う。

立てなくなったら手を貸してあげるよって感じのことが。

これも、妄想だって言うなら慶詩には悪いこと

したなって反省するから今だけ我慢して登場してて欲しい。

「早くしろよ、マジでさみぃな。」

「す、すまぬ。」

凍りつくような冷たい手だったと思う。

慶詩の手もお世辞には温かいとは言えなくて、

それでも十分あたしには温かく感じたんだ。

グイっと引っ張り上げられて立たされると、

足がガクンとふらついてそのまま慶詩に突進してた。

「うおおおおおっ!」

「ちった、可愛げある声出せねぇのか。」

「それをあたしに望むとは酷いヤツだ。」

いつも通りの展開にあたしさっきと変わって

ないのかなとさえ思えた。

「つーか、何でこんな糞さみぃとこで本気で

花摘んでんだ。テメェの脳みそはいつでも春だな。」

本当だよ。春に飲み込まれて自分見失いそうに

なってたところだったよ。

もしも、慶詩が来なくて女豹の手に捕まってたら

あたしどうなってたんだろう?

慶詩の手を迷わずに取って良かった。

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