Hurly-Burly 4【完】
どんなに打ちのめされてもあたしの目標は
消え去ってりしなくて目の前にある。
「あたしって、いつもどんな感じ?」
「急になんなのよ~、そー言われても、
妄想ばっかりしてるとかじゃねーの?」
煙草の先から微かな炎の灯火が見えて、
暗闇の中では暖かな光だった。
「も、妄想って・・・他にはないのか!?」
「んー?変~なこと聞くなよ。んなもん、お前は
お前だったとしか言いよーがねぇじゃねーの。」
なっ、何てことだ!!
そんな簡単なことさえ見失いかけるところだった。
まさにドブに嵌る寸前の救いの手だ。
あたしはあたしでそれが普通なんじゃない。
馬鹿みたいにクヨクヨ考えてやられたわ。
マイッチングよ、あたしとしたことが本当に凡ミスだわ。
「何だよ~、ひよちゃん急にどーした?」
「伊織君、ありがとうございました。」
逸らせないならきちんと向き合うべきだ。
それが、あたしらしさと言うものだ。
「あたし、グレードアップしてみせます。
そして、きっともう迷ったりしません。」
決戦は春の麗らかなあたしの誕生日だ。
16になるその日にあたしは正式に後継者として
認められるようになる。
もう逃げも隠れもしてやるもんか。
立ち向かうよ、きっと負けやしない。
あたしはこう見えても負けず嫌いだから、
勝負は絶対に勝ってやらなきゃ気が済まないの。
家を守るっていうあたしに課せられた使命は
成し遂げてみせるわ。
それがあたしの誇りであり原動力だから絶対に
もう振り回されてりしない。
だって、あたしはあたしである限り突き進むのが
商に合ってるんだもの。
「何だ~?急にらしくなったじゃねぇーの?」
「伊織君のお陰でドブに沈まなくて済んだわ。」
「ドブって今度はどんな妄想してんだオメェの脳みそ・・・・」
木陰から飛び出すと伊織君がクイッと口角を上げて笑った。
そのフェロモンの分泌量と言ったらチョコレートフォンデュの
タワーに相当するに違いなかった。