Hurly-Burly 4【完】
躊躇いがちに落ち着きを取り戻すあたしを横目に、
ふうっと吐き出す紫煙は澄んだ空中に漂った。
こうやって、普通に煙草を吸ってる伊織君を
見ると学生のようには見えなくなってくる。
ふとそう思うと、何だか不思議でしょうがなかった。
そうしてると、今度はブォンっというような効果音
と共に闇を切り裂いてバイクが一台近づいた。
「な、何だ!?」
パッチリと瞬きをしながらバイクが横に止まる。
「オラっ、とっとと乗りやがれ。」
「いや、な、な、何を言ってるんだ!」
「気分転換に付き合ってやっから早くしろ。」
ギラつくようなピアスが綺麗だなと思ってた。
「む、む、無理だ。慶詩の運転は生死を彷徨う!」
「んあ?面倒くせぇな。伊織一緒に乗せてやれ。」
「んー?3人で乗るのか~」
※3人乗りは法律で禁じられてます。決して真似しませんように。
「な、な、何を言ってんだ、馬鹿者!」
乗るものかと思ってたらウエストをスッと
持ち上げられて慶詩の後ろにいつの間に
乗せられてその後ろに伊織君が乗り込んだ。
「は、犯罪者になった・・・・・」
顔面蒼白になって慶詩の腰にしがみつくと、
「止めろ、テメェの怪力で骨が折れんだろーが。」
ギロっと睨みつけられた。
「ひっいいいいいいいい!!」
「あいよ、ひよちゃんはヘルメットしようか~ね。」
た、楽しんでる人物が一名後ろでケタケタ笑ってる。
3人乗りって良くないんだよね!!
何、普通にしてんだよ!!
お、落ち着け、落ち着くんだ日和!
「・・・なななななななななっな何と言うことだ!」
「どもりすぎだな」
だ、だって、待ちたまえよ。
何がどういった状況でこうなる!?
あたしはもう気が済んだのだ。
クリスマスパーティーに戻ればいいではないか!
だけど、それはあっという間にかき消された。
爆音と共に発車されたバイクの勢いは止まらなかった。
「ぎゃあああああああああ」
「うっせーな。」
「楽しくなってきたんじゃね~の?」
全然、楽しくなんかなかった。
ただただ、冷や汗を垂らして必死に慶詩にしがみつき、
伊織君が背後で挟まれた状況をドギマギしてるほど余裕を持てなかった。