Hurly-Burly 4【完】

一言一句聞き逃しがないようにと耳を澄ませる。

「そりゃ、今居る仲間も信頼を持つには険しい道だったわな。

伊織とも最初は馬が合わなかったしな、オメェのことも

真っ向なこと言うと信用出来るヤツだと思っちゃいなかった。」

そんなの当たり前だとは思いつつも口を閉ざして、

耳を傾けることに集中した。

「何が目的だって思ってたのは俺だけでよ、友達になるって

言った時だって何言ってんだこいつとしか思ってなくてよ。

あん時だ、夏にオメェが自分のこと話した時あったろ?」

「海行った時?」

「それだ。そん時は、少しだけ認めてやった。

けど、一番大きかったのは最近のだ。どうせ、

オメェも他のヤツと同じだろって疑ってた。」

「だから、突っぱねたのか?」

「多少はその影響だな。でも、オメェは違った。

不利な状況でも信じてくれたんだろ?」

「やってないことは明確だったもの。

それに、守るって言ったから。」

「それが、結構深くてよ。あれには感動したな。

何つったけか、誇りを持つってやつには。」

「誇りだよ。みんなを恥じたり絶対にしない。

あたしの友達だってのは胸を張って言える。

って、慶詩でも感動するんだね。」

「そりゃ、するだろ。んなこと言われたことねぇし。」

「じゃあ、覚えといて。」

慶詩がガシガシ頭を掻きながら遠くを見つめてた。

「しょーがねぇから頭の片隅ぐらいには覚えててやる。」

「うん、それでいいよ。」

「仁義ってのはそういうもんだろ。だから、オメェの

ペースってもんがあんだと思う。」

「ふむ。」

「信じたくなったら信じりゃいい。それを、待ってやれる

のはオメェだから折れてやんだぞ。」

「な、何さ急に優しくするな!」

「しょーがねぇだろ。オメェは自分に厳しすぎんだろーが。」

「ヘラリヘラリ」

「い、伊織君が効果音になった!!」

「いいから、オメェこそ忘れんじゃねぇぞ。

1人で目一杯になる前に逃げに来い。」

何で気付かなかったんだろ?

慶詩って案外良い奴ではないか。

こんな時に気付くなんて弱ってると物事が

急に見えてくるようになるのかな?

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