Hurly-Burly 4【完】

それから、何故か甘味の話になっていた。

甘いものが苦手なあたしだが、お菓子作りは

好きだから良く作るわけだ。

「ダンディーさんにも何か作りますね。

お食事誘ってくれたお礼に何がいいですか?」

「俺がお礼に誘ったのだからそういうことは

気にしなくてもいいんだよ。」

「いいえ、お礼させて下さいね。とっても、

楽しかったのでつい長居させてもらいまして

嬉しかったです。美味しいものもご馳走に

なってありがとうございました。」

ぺこりと頭を下げてお礼を言った。

こういうことはきちんとしたい。

大人の人だから当たり前だなんて思いたくない。

良くして貰った人にはきちんとお礼を言う。

「また、いつでも美味しいものが食べたくなったら

おいで。君と話をしていると和んで食事が良く進む。」

「あ、機会がありましたら是非とも!」

結局、ダンディーさんの正体は最後まで

分かることはなかった。

何も聞けないままお別れをした。

聞けないというよりはそれを聞いてしまって

いいのかなというあたしなりの解釈によって

聞かずにお別れした。

誰かに似ているような気がしたけど、

それが思い出されることはなくて出会いは

突然やってきた。

「結局、誰が密偵してるんだろうか?」

スパイでも居るのかなと思いながら、

兄ちゃんのピクニック先へと急いだ。

お昼はとうに過ぎた2時すぎにようやく到着した。

兄ちゃんは、瞳を潤ませて抱きついてきた。

「ひーちゃんに嫌われたと思ったよ。」

「はいはい。ごめんね、遅くなったけど

兄ちゃんのお弁当持ってきたよ。」

お腹空いてたんだよという兄ちゃんは

お弁当の蓋を開けると嬉しそうに食べた。

その後、何故かピクニックに強制参加

させられそうになったけど、藍ちゃんと

会う約束があるからとうことで逃げ帰った。

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