長い沈黙を破ったのは、終始無言だった弁護人だった。

その言葉に満足したのか、青年は柵を越え、私たちの方に近付いてきた。

世多警部も、何とも言えない顔で青年を見ている。

青年は、私たちの斜め横で立ち止まった。


「後は、あんたたちの仕事だよ」と言って、笑った。

……様な気がした。


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