幕末桜
けれど私の力はまだ目覚めていない。

もう15なのに…

母様は7つの時に目覚めたと言っていた。

私はふと部屋の縁側から庭へ出た。

今は春。

庭にある大きな桜の木を眺めるのが私の心を和ませてくれる。

今年も満開だ。

「綺麗……」

そう口にしてしまうほど桜は美しかった。

「そのように桜を見ているあなたもまた綺麗ですよ」

私の部屋から現れたこの人が私の母様。

自慢じゃ無いけど母様はとても美しい。

私も母様みたいに綺麗だったらなー。

(ここで作者より一言。蝶はすっごい無自覚ですけど、めっちゃ美少女です(¨;))

って…
「母様っ!!ご冗談は止してくださいっ!!」

私が綺麗だなんて…
ありえないわっ!!!!!

「あら、冗談など言っておりませんよ♪蝶は本当に綺麗なんですもの♪」

「…それより蝶。貴方に大事な話しがあるの。桜河(オウガ)を読んで来てくれる?」

桜河って父様…。

母様のいつもニコニコしているお顔が真剣で、けれど優しい顔に変わっていた。
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