【コラボ】パラレル・ラブストーリー


「まりあに教えてあげなきゃ……誤解だって」



神無はケータイを取り出す。


その手を、龍真が制した。


ケータイごと龍真の大きな手に握られた神無は、驚いて彼を見上げる。



「それ、後じゃダメか」


「あとって……何の?」


「俺、まだ話があるんだけど」



龍真は神無の手をにぎったまま、その大きな目を見つめた。



「……あの日、なんでお前を呼び出したか」


「あ、」



そうだった。


神無はやっと思い出した。


そもそも自分は龍真に呼ばれて生徒会室に行ったのだ。


そこにたまたま瑛がいて、自分のまつ毛が抜けた。


慣れないビューラーで、強い力をかけてしまったからだ。


少しでも可愛く見せたくて、まつげを上げようとしたのが間違いだった。


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