運命鑑定



「ねぇ...ちょっと...」


「っ!?」


眼鏡君は恐ろしいものでも見るようにあたしの方へゆっくりと顔を向けた。


「あの...さ」

「ぼっ!! 僕は何も見てませんっ!!」

「いや、あの」

「っ!!誰にも言いませんのでっ!!」


あー、この眼鏡君も叶華と同じで話を聞かない人なのかと思ったあたしは、ため息をついた。


「ただ、通りすぎただけです!!」

「見るつもりはなかったんです!!」

「許してくださいっ!!」


めんどくさい人だなー...と思ったが、実際こんなことになったのは、あたしが妄想したせい、ということにして、


「あー、別にいいよ」


と言った。

本当はちらほらと人が来て、あたし達のことを怪訝そうな顔で見てきたからなんだけど。



「そのかわり、誰にも言わないでね」


と言い残し、教室に帰ろうとした。



そのとき、


「まーなーとーっ」



聞き覚えのある、いや、聞きすぎたことのある声が聞こえた。


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