運命鑑定



叶華の甲高い笑い声がちょっとうるさい。

さっきまでは、ちらほらだった人が増えてきて結構の注目を浴びている。


だって、あんまりしゃべらないあたしと、ギャルぽい叶華と眼鏡をかけた大人しそうな男子とでしゃべっているんだから。

そんなことを考えながら、はやく教室に戻りたい...と思っていると。


笑いがおさまって涙目になった叶華が言った。



「知ってるも何も、彼氏だよ?」



ただでさえ注目を浴びていたのに、今の発言でもっと注目を浴びてしまったのは言うまでもない。



そしてあたしは、この眼鏡君と叶華が!?とまた疑問に思って聞いてみたところ、叶華に

「眼鏡君じゃなくて、愛斗!!」


と言われ、愛斗と呼んでみると、今度は


「やっぱり、呼び捨てはだめっ!!」


と終始振り回され、当の本人は蚊帳の外だったのだけど...


「も...もうすぐHR始まるよ」


という愛斗の声であたし達は教室に戻ったのだった。


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