運命鑑定
「で、ここは球の体積を求めるから3分の4πr3乗で...」
あーあ、数学とかつまんない。
なーんかいいことないかな。なんて、何かのCMのようなセリフを思い浮かべていた。
すると携帯が振動した。
ブー...ブー...
誰? 授業中なのに...。
先生に気付かれないように、そーっと携帯を開いた。
【 愛斗です。 兄からの伝言があるので伝えます。 今日の放課後、屋上に来てほしいそうです。
PS.僕のメアドの登録お願いします。】
あぁー、愛斗か。
って...兄? あたし、愛斗のお兄さんなんか知らないんだけど。
なんだろ...呼び出し?
...あたしなんか悪いことしたっけ...?
なんて考えていると、また携帯がブー...ブー...とメールが来たことを知らせた。
ディスプレイに表示された「叶華」という字を見て、メールを開く。
【愛斗とイチャイチャしてないよねっ!?
してたら怒るよーっ!!】
あたしは愛斗に【了解】、叶華に【してませーん】と返信し、叶華を睨んだ。
叶華はメールを確認しているのか下を向いて、そのあとあたしの方を見て笑いながら手をあわせて謝ってきた。