運命鑑定



――キーンコーンカーンコーン



「では、これでHRを終わります」



その声と同時に、今から部活へ行く人や帰る人が一気に動く。

あたしはめんどくさい、という理由で帰宅部に入っていたからいつもならこの流れで帰るのだけど...。


「あれー?どうしたの美紅。帰らないの?」

テニスラケットを持って、部活をやる気満々の叶華があたしに聞いてくる。


「ちょっと、用事があって」

「うん、そっかー!! じゃ部活行ってくる!!ばいばい!!」


テニス部の人に置いていかれて、「待ってー!!」と叫んで走っていく叶華の背中を 見て、青春してるなーと思いながら屋上へ向かった。



――ガチャッ


少し錆びている、重い鉄の扉を開けると...キレイな夕日が見えた。


「う...わぁぁぁ!!」


真っ赤、いや、真っオレンジの夕日が屋上だけでなく、校庭や校舎まで照らしている。


あたしはもっとこのキレイな夕日を見ていたいと思い、屋上の柵に寄りかかった。


あぁーなんてキレイなんだろう。


ずっと見ていても飽きないくらいだ。



でも、流石に長時間見ているのは目が疲れてしまうので、体を反転させ目線を前に戻した。


...目の前にはイケメンが、いた。





... あれ? なんかこんな展開、どっかで見た。


えーと、あーと... 朝の妄想だ!!


すごーい!! 正夢だ!!

間違えた。 正妄想だ!!


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