《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
* * *

私たちはデパートの外に出た。嗣成様の指示で、タクシーを拾い、後部座席に乗り込む。

行き先はダイヤモンドホテル赤坂。


「名前…訊いてなかったな」


「柏木季実子です」


「ふーん…百合の君でいいか」


「百合の君?」
『源氏物語』の世界の姫みたいな呼び名。


「嫌?」


「嫌じゃあありません」


「彼氏はいるの?」


「い、いません・・・」


「マジで?君みたいな子が彼氏ナシなんて、不思議だな」

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