《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「俺が怖くて、腰抜けた?」


「近寄らないでください!!」


「声は出るようだな…緑川夫人」


栗原さんは私の怖がる様子を面白がって見つめながら、近寄ってくる。


「トーマ社長とは出来て、俺とは出来ない?」



「私たちは何もしてません!!唯、キスして寝ただけです!!!」


「わざわざ、金払ってラブホに入ってキスだけ?トーマ社長ならあり得ないコトないけど」



栗原さんは足を止めて、神妙に呟いた。



「まぁ~今日の所は帰るよ。自分の身、守りたいならトーマ社長には近づかないコトだ」


栗原さんは急に、私に背中を向けて玄関先に向かっていった。



私の貞操は守るコトができたーーー・・・

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