《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「・・・緑川君のベタ惚れは本当なんですね」


「…」
栗原さんの言う通りだけど、俺は何も返さず流した。



「トーマがあなたの奥様を望むなら私は身を引くつもりでいる」


「…迷惑です!!俺は桃を濱部社長に渡すつもりはありません_!」


「思った通り…話は平行線だなっ。俺は少し、席を外します…」


栗原さんは俺と美古夫人を残して、部屋を出てしまった。


「どうしても、離婚するつもりですか?復縁の意思はないんですか?」


「・・・私…子供ができないの。トーマにはどうしても後継者となる子供が必要なの」



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