《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
私の服の上から着物を着せて、お義母さんは上機嫌に姿見を覗いていた。



「桃さんあなたはいつまで、仕事を続けるの?」


「え、あ…具体的にはまだ、決めていなくて」


「…結婚したからには緑川家の嫁としての自覚が欲しいし、私も孫の顔が見たいわ」


「・・・」
お義母さんも…家元と同じなんだーーー・・・



「こればかりは、授かり物だから…わからないけど…門下生の人たちが何かとうるさいのよ」


お義母さんの苦しいキモチが言葉の中に見え隠れしていた。


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