幸せの在処


「それ、俺が治してやるよ。」


治すって。


どうやって。


今までの嫌なことの積み重ねで、こうなって。


治したくても治らなかったのに?


のぶに…何が出来るの?


一呼吸おいて、口をやっと開いた。


「その言葉は嬉しいけど、別に人間不信なわけでないから。治すも何も、悪いところはないから。」


また可愛げなく言ってしまった。


素直に「ありがとう」と言えばいいのに。


< 86 / 106 >

この作品をシェア

pagetop