甘い姫のスパイス達



「もう……」


呆れてため息をつきながら
遥さんの車に乗り込んだ


咲さんには明日のバイトで
謝っておこう。



「男といる時に男のことを
考えてんなよ」


「いたっ!」


ボーッとしてたらデコピンされて
私は痛みを感じた額を
両手で抑えた


「か、考えてません!」



咄嗟に嘘をついてみたけど
お見通しのように笑われる



車が止まったのは
近くの服屋さん


「わぁ、入りにくそう」


服屋さんは男物らしい
ものばかりで定員さんも
男の人だ


「行くぞ」


唖然とする私の先を行く
遥さんを追いかけた



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