本の森と狼さん。
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キーンコーンカーンコーン
終業のチャイムが鳴り
号令をしてすぐに教室をでる。
向かう先は、
図書館。
図書館は校舎から少し離れていて
赤レンガの趣のある2階建てだ。
一般開放もされるほどスゴい。
イチョウのじゅうたんを通り
図書館へ入ると
ほのかに本の香りがする。
この香りと静かな館内を灯す光が
私は大好きだ。
2階の一番左奥、
本棚に隠れた薄暗い場所に
4人がけの机が1台ある
窓を見れる左側が私の特等席。
見つかりにくいし
薄暗さがちょうど良い。
私は鞄を横の椅子に置き、
読んでいる最中の本を読む。
『愛ゆえに』
父さんが勧めてくれた本だ。
愛を信じて疑わなかった主人公
ボスタフが令嬢のクリスティーヌに
あっけなく捨てられる…
いま読んでいるところまでだと
ストーリはそんな感じだ。
----ボスタフは可哀想だな
愛なんか信じたばっかりに…
可哀想?
あぁ
愚かだ。
:
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:
:
集中して読んでいたのか
気づけば目の前の窓は真っ暗だった。
----帰ろう
カバンが置いてある横の椅子へ顔を向ける
………と、
「ヒッ……!」
わたしは本を持ったまま硬直した。
「どうも~」
だって…
「おーい、大丈夫?」
だって
「おーい、聞いてんのかー??」
知らない男子生徒がいたんだから。
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キーンコーンカーンコーン
終業のチャイムが鳴り
号令をしてすぐに教室をでる。
向かう先は、
図書館。
図書館は校舎から少し離れていて
赤レンガの趣のある2階建てだ。
一般開放もされるほどスゴい。
イチョウのじゅうたんを通り
図書館へ入ると
ほのかに本の香りがする。
この香りと静かな館内を灯す光が
私は大好きだ。
2階の一番左奥、
本棚に隠れた薄暗い場所に
4人がけの机が1台ある
窓を見れる左側が私の特等席。
見つかりにくいし
薄暗さがちょうど良い。
私は鞄を横の椅子に置き、
読んでいる最中の本を読む。
『愛ゆえに』
父さんが勧めてくれた本だ。
愛を信じて疑わなかった主人公
ボスタフが令嬢のクリスティーヌに
あっけなく捨てられる…
いま読んでいるところまでだと
ストーリはそんな感じだ。
----ボスタフは可哀想だな
愛なんか信じたばっかりに…
可哀想?
あぁ
愚かだ。
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集中して読んでいたのか
気づけば目の前の窓は真っ暗だった。
----帰ろう
カバンが置いてある横の椅子へ顔を向ける
………と、
「ヒッ……!」
わたしは本を持ったまま硬直した。
「どうも~」
だって…
「おーい、大丈夫?」
だって
「おーい、聞いてんのかー??」
知らない男子生徒がいたんだから。