赤い糸のその先は…。
「ダメよ、ゆず。あなたは王子様と結ばれるのよ。
じゃないと、裕也が私との結婚をやめるって言い出すでしょう?」
すがる様に私の手を握りしめる室長。
室長、そんな事は無いですから...
お兄ちゃんは、ちゃんと室長と結婚しますってば。
「クスクスっ、僕はもう小百合を手放さないって決めたんだから、大丈夫だよ。
一緒に幸せになろうね。」
お兄ちゃんは、デザートを運んできて室長に甘々なセリフを投げかけた。
「うん。裕也ぁ、幸せになろうね~。」
もう、室長ったらデレデレだ。
この人はお兄ちゃんの前だと途端に乙女になっちゃうんだから。
「いやぁ、この今にも蕩けそうな二人を見ている私って、可哀想すぎるわぁ。」
私だけが取り残されちゃうの?って今度はユキちゃんがすがり付いてくる。