ぬくもりをもう一度
「ううん。

 キスしてる夢を

 みてたみたいなんだけど、

 ちょっと感触があったような

 気がして……」


ビクン、と俺の身体が震える。


香澄の鋭い言葉に、

どうにか俺は笑ってこたえる。


「夢だったんだろ?

 感触があるワケないじゃないか」


「そうだよね。

 私、酔ってるから

 ふわついてるだけかも」


えへへ、と優しく笑う香澄に、

そうだよ、と言って笑った。





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